加藤 二佐雄 氏
- 長野県民新聞社 代表取締役(長野県民新聞は、長野県で唯一の教育情報紙)
- 元 日本PTA全国協議会 副会長
学力向上の第一歩
「本を読む子ほど、学力が高い」。最近、どこかのCMで目にしましたが、実際どうなのでしょうか。
- 2時間以上 59.7点
- 1時間以上2時間未満 59.8点
- 30分以上1時間未満 59.1点
- 10分以上30分未満 57.2点
- 10分未満 52.5点
- 全くしない 48.6点
この数値、昨年4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に文部科学省が実施した『全国学力・学習状況調査』における、小学6年生の読書時間と国語Bの点数を示したものです。確かに、本を読んでいる子ほど点数が良いことが分かります。
この文部科学省の『全国学力・学習状況調査』では、子ども達に対する様々な質問と、国語、算数・数学の点数をクロス集計して発表しています。
では、次の数値はどのような問いに対するクロス結果だと思いますか。数値は中学3年生の数学Bの得点です。
- よく来る 64.0点
- 時々来る 58.8点
- あまり来ない 55.4点
- 全く来ない 48.2点
実はこれ「家の人(兄弟姉妹を除く)は授業参観や運動会などの行事に来ますか?」の問いに対するクロス集計結果です。何と、「よく来る」ご家庭のお子さんと、「全く来ない」ご家庭のお子さんとでは、実に15.8点もの差が生じています。
もう一つ、ご紹介します。数値は同じく中3生の数学Bの得点結果です。
- している 63.2点
- どちらかと言えばしている 61.0点
- あまりしていない 57.8点
- 全くしていない 49.9点
これは、「家の人(兄弟姉妹を除く)と学校でのできごとについて話をしますか?」に対するクロス集計結果です。ここでも「している」お子さんと、「全くしていない」お子さんとしでは13.3点もの開きが生じています。
何も学力だけが全てではないかもしれません。しかし、お家の方が積極的に授業参観に出掛けたり、家庭内でも、お子さんと積極的に会話をすることは、学力向上の第一歩であることは事実のようです。
はい、皆さん、積極的に学校に足を向け、家庭内では、お子さんと積極的に話すようにしませんか。