◆日時:平成29年6月24日(土)13:00~
◆会場:山王小学校
◆主催:犀北ブロック協議会(研修会当番校:山王小学校)
◆参加人数:145名(男性 22名、女性 123名)
平成29年度、犀北ブロック研修会が当番校の山王小学校で開催されました。
◇講話「隠れ栄養失調になっていませんか?」
~我が子のやる気スイッチを後押しする食卓~
講師:倉島 のぞ美(フードクリエイター)
休憩を挟んでの二部構成で、約2時間の講演と、その後の質疑応答という形で行われました。
第一部は、倉島さんのご自身のお子さんとの体験からの「隠れ栄養失調」に気づくまでの経緯のお話から始まりました。
倉島さんはご自身のお子さんの体調不良や行動・態度の変化から、人間は身体にストレスがかかると、ビタミンやミネラルを吸収しにくくなることを知りました。それは20年以上料理に携わってきた者にとって衝撃的でした。しかしご自身が得意な料理によって改善もできるのでは?と考えられました。ビタミンは、果物はもちろん、抹茶や干しシイタケからも摂取できること、ミネラルは鰹節や昆布などの自然素材から摂ることが効果的である事を、お子さんを通じて実践されました。効果は「声の大きさ」や「字の丁寧さ」に現れ、目に見えて実感できたとのことです。
また、スポーツの際、足がつりやすい時は、硬水に少量の抹茶を入れたものを摂取することで改善されたという体験もお話しいただきました。
休憩時間には、倉島さんおすすめのミネラルたっぷりの天然炭酸水の試飲が行われました。
第二部は「やる気スイッチ」の後押しの仕方についてのお話でした。
出汁の効果は飲むだけでなく、その香りも重要で「やる気」の後押しになること。また、出汁の効果は即効性ではないので、1~2カ月以上の持続的な摂取が大切であること。急な味の変化に慣れるためには、少しずつ天然出汁に変えていく方法が良いこと。鰹節や昆布をミキサーで細かくし、味噌とワカメなどの具材と混ぜ、一人前の小分けにしておき、カップに入れて一杯ずつ作る即席の味噌汁も効果的なことなど、具体的にお話しいただきました。
質疑応答では、子どもに食べさせない方が望ましい食材として、菓子パンなどの砂糖を多用したものを挙げられました。砂糖は5分位の短時間で瞬間的に集中力を上げる効果はあるが持続性はないこと、本来、糖分は果物から摂取していたことを説明されました。
カルシウムの摂取には牛乳が一般的でしたが、現在は嗜好品の意味合いが強くなったことも教えていただきました。
◇参加された方の感想(抜粋)
・毎日の食事は私の努力次第、気持ち次第。
・飽食の時代に隠れ栄養失調があること、その影響がいろいろあることに驚かされました。
・ストレスを抱えた我が子に声かけが悪いのかと考えていましたが、栄養面も考えたいと思いました。
・自分も疲れやすく、休みの日は動けなくなることがあるので、味噌汁からミネラル摂取を始めたいと思いました。
・子どもが幼少期の時はとても気を付けて食事を与えていました。大きくなるにつけだんだん気が抜けてしまっていましたが、大変刺激になり、またがんばろうと思えました。
・料理はあまり好きではないのですが、子どものやる気や体を作るために必要なことを考えると、がんばれる気がします。
・便利な世の中になり、いろんなしわ寄せが子どもたちの体、心を蝕んでいる中、子ども達の生まれながらにして持っている、人としての自然な育ちを、親としても保障して行きたい。
・母親として、毎日のメニューには頭を痛めますが、こういうお話を聞くと、ちゃんとやらなきゃ!と改めて思います。たまに手抜きをしながら、やれる時はちゃんとやりたいと思います。
・何カ月か前から緑茶を飲む様にしてから、子どもが落ち着いてきたので、そのせいかな・・・と思いました。子どもがおやつにかつおぶしを食べても怒らないようにしようと思いました。
・子どもの普段の生活・言動をみて、言葉だけで注意したりするのではなく、「栄養」ということを考えながら実践して行こうと思いました。
・最近、高校生の息子のイライラがとても気になっていて、考えてみたら時間が無いと言ってお弁当を食べてこなかったり、疲れたと寝てしまい夕食が取れていなかったりと、しっかりとした食生活ができていないことが原因かなぁと思いました。忙しさを理由にしていましたが、久々にきちんとダシを取った味噌汁を作ってあげようと思いました。
・毎日ダシを取っていたことは、無駄では無かったです。これからも手抜きしながら、頑張りすぎずにおかあちゃんをして行きます!
・やる気・集中力を持続させるのは栄養ドリンクなどの人工的なものではなく、天然のミネラルであるというのは、目からウロコでした!
・ここには書ききれないほど、色々なことを学べました。
◇主催者の総括(原文のまま)
・参加者が145名と、各校役員以外の会員も多く参加していただけた。
・アンケート回答者の92%の方は、講演の内容に満足していただいた。
・講演時間を運営側で決めるのではなく、講師に決めていただくべきだった。
・アンケートを見る限り、個人的に質問したい内容はもっとあったが、全体の前での質疑応答ではその質問を引き出せなかった。
・食育に対しての知識レベルは人それぞれ。今後は研修内容のみならず、参加者のターゲットをどのレベルに向けて発信するのか意識して集客することで、参加者の期待通りの満足を提供できる。
・多くの方がうなずきながら、熱心にメモを取りながら講師の話に聞き入っていた(コメント記入率も高い)。
・今後の研修希望は、次回の親の会を含めて毎回アンケートを実施することにより、より参加者の満足度が高い研修を今後実施できると感じた。
◇取材後記
梅雨の晴れ間の蒸し暑い中、大勢の参加者に出席をいただき、有意義な研修会になったと思います。熱心に講演を聞き、メモを取る参加者の皆さんの真剣さは、主催した山王小学校の役員の皆さんの熱意が伝わったものだと感じました。特に「食」に関しては、日々、食事を作る母親にとって重大なことで、この研修会を通して何かヒントを得ようとする姿勢がアンケートからも伺えました。アンケートでは、今後研修で聞きたい内容・講師の要望についても多数ご回答をいただきました。
これらの貴重なご意見を今後のPTA活動に反映できるよう引き継ぎ、これからも有意義で熱い研修会が開催できるようにしたいものです。
最後に、研修会にご参加いただいた保護者の皆様、ありがとうございました。また、このように熱い研修会を開催していただいた、山王小学校の役員及び関係者の皆様、お疲れ様でした。
(講演終了後、スーパーにて煮干しに鰹節・昆布とさらには抹茶と炭酸水も買いました。(笑))