◆日時:平成29年11月18日(土)13:15~16:10
◆会場:吉田小学校体育館 (担当校:豊野東小・長沼小)
◆講師:原田綾子先生(勇気づけの親子教育専門家 HeartySmile 代表取締役)
◆テーマ:和ごころ ~子育てのお知恵拝借~
◆参加者:145名

第1部 講演会

講師に勇気づけの親子教育専門家の原田綾子先生をお迎えし、「共に学ぼう・勇気づけの子育て ~ほめるより子どもが伸びる「勇気づけ」~をテーマに講演してくださいました。原田先生は、アドラー心理学を使った「勇気づけ」の子育て講座や、母親自信が更に HAPPY になるための心理学講座、教育コンサルティングをされている方です。埼玉県在住。原田先生は、埼玉県で公立小学校の教員をされていた経験があり、その経験も含めて分かりやすく講演してくださいました。

親の役割→「困難を克服する力を与えること」

「アドラー心理学」とは、勇気づけの心理学。その勇気づけの「勇気」とは、困難を克服する力。心の中に勇気があると、心のサインを感じることができ、困難を克服することができます。親の役割は、子どもの心のコップを「勇気」で満たしてあげること。「勇気」があれば、自分自身で勇気づけることもできます。無理して元気を出す必要はなく、心からの感情を感じることで自分に勇気が入れられます。心の本音を出せる家庭を安全基地、充電基地とし、不完全さを受け入れる勇気をもち、心のコップを常に満たした状態でいられるように、まずは勇気づけを行うことが大切だと教えていただきました。

「勇気づけ」と「ほめ」は違う

続いて、「ほめ」と「勇気づけ」の違いについて教えていただきました。
「ほめ」は結果を評価することであり、できないとほめてもらえません。特別なことを成し遂げた時にあたえられるのが「ほめ」であり、それに対し、子どものやる気を引き出し自信をつける「勇気づけ」は、当たり前のように思われる行動に注目して勇気づける点で、「ほめ」と異なります

(勇気づけの例)
・今日も起きてきてくれてありがとう(健康な自分を認める)。
・宿題やっているんだね。自分からやってくれていてうれしいなぁ
・嫌いなものも食べてくれてうれしいなぁありがとう
・お手伝いしてくれて助かるわ
・○○ちゃん大好きだよ

魔法の言葉「あ・う・た・だ」

「あ」(ありがとう)
「う」(うれしいな)
「た」(たすかる)
「だ」(だいすき)

特に、この4つの言葉を、意識して使うことが勇気づけの近道だそうです。
子どもが言い返してきた時には、「あらそぉ」と聞き流し、よくやっていることを見つけて勇気づけます。子どもは大人が自然に勇気づけのコミュニケーションをしているのを見ることで、自然と人間関係を学んでいるそうです。子どもと親だけではなく、大人と大人のやり取りにおいても、勇気づけを行うことが大切だとも教えていただきました。

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勇気づけのポイント

1 過程重視…結果ではなくて頑張っていることを認める
2 加点主義(ダメ出しではなくてヨイ出し)…今できていることに注目する
3 貢献に注目する…協力してくれたことに注目する
4 失敗を受け入れる…失敗をとがめるのではなく、失敗から学べるように勇気づける
5 相手に判断をゆだねる…できるだけ子ども自身に任せる
6 肯定的に表現する…子どもの長所を発見する
7 聞き上手になる…「そうか」「そうだったんだね」と共感的に関わる

「失敗 いっぱい 大歓迎!」

最後に、人は「失敗してはいけない」と思ってしまうと、チャレンジできなくなるので、「失敗してもいいんだよ」「失敗いっぱい大歓迎!」という言葉を子どもたちにも、自分たちにも伝えて欲しいとお話がありました。失敗してもよいと思える気持ちが、様々なことへのチャレンジにつながります。失敗した時には、「ああすればいい」と指示命令を出すのではなく、「じゃぁ、どうすればいいかな」と一緒に話し合うことが大切だとも教えていただきました。

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★アンケート結果(122人より回収)
良かった 86%、まぁまぁ良かった 11%、普通 3%、あまり良くなかった・良くなかった 0%

第2部 分散会

和ごころ ~子育てのお知恵拝借~ をテーマに、14テーブルに分かれて分散会を行いました。
それぞれのテーブルごとで、教育や子育てに関して、普段抱えている悩みや心配事を出し合って、テーマを決めました。そのテーマに沿って集まった方から付箋を効果的に用いて意見を出し合い、アドバイスや体験談を聞きながら、問題解決の糸口を見つけました。
それぞれのテーブルでは、スマホ・ゲームの使い方、片付け方、子どもとのコミュニケーション、時間の使い方、進路などテーマに話し合いがされていました。
各分散会とも、充実していて、同じ悩みを抱えた方の話が聞けて良かったと好評でした。ようやく盛り上がってきたところで終了となってしまい、短かったという意見が上がるほど、内容の濃い1時間となりました。

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★アンケート結果(122人より回収)
参考になった 89%、普通 11%、あまり参考にならなかった 1%

◇反省・感想
・講演は、子育てだけで無く、人間教育に必要なスキルを学ぶことができ、とても良かった。
・「勇気づけ」という言葉を知り、勉強になりました。
・自分はさておきが多いので、子どもの弱点、短所を認めてあげることが大切だと感じた。
・子どもに対してどう接して良いのか先が見えるようになりました。
・「ほめる」と言うことは心がけてはいたが、「勇気づけ」という考え方を知ることができよかった。
・同世代の子どもを持った保護者の方と意見交換することができ、時間が足りないくらいでした。
・みんな同じ悩みでも対応の仕方が違うので参考になりました。
・お母さんだけではなく、お父さんの意見が聞けて良かったです。
・具体的なテーマがあった方が、話が進んだと思います。
・親の悩みを共有できる貴重な場。
・今回のように悩みを共有できる研修会は、とても良いと思いました。
・休み時間がもう少しあっても良かったかもしれません。
・慣れて会話ができるようになったころに時間になり残念だった。